ガーミン ForeAthlete 220Jを買ったのでレビューします

関連:Garmin ForeAthlete 235J に買い替えました。

 

GPSスポーツウォッチが欲しくなるまでの経緯

今まで、ランニングの際に音楽を聞くためにスマートフォン(今はiPhone6)を携帯して走っていたので、走るペースもiPhoneアプリの「Nike Running」を利用して確認していました。

このアプリは1キロごとに距離と総合時間、そして平均ペースを知らせてくれるので重宝していたのですが、いくつか気になる点がありました。それは、

・1キロごとのラップペースをリアルタイムで知りたい
・雨の日でも使いたい
・たまに距離が怪しいと思う時がある

という点です。

1キロ毎のラップを知りたい!

Nike Runnningは1キロ毎にラップを読み上げてくれるのですが、それは「全体の平均ペース」なので、直近の1キロがどれくらいのラップであったかを走りながら知ることができないのです。
もちろん走り終わった後には確認することができるのですが、途中でペースアップをしたりすることもあるので、リアルタイムで直近1キロのラップが知りたいなあと思っておりました。

雨の日でもきちんと計測したい!

次に、雨の問題。私はちょっとくらいの小雨なら走ることにしているのですが、雨の日は濡れても大丈夫な格好でいくため、もちろんスマートフォンは持って行きません。
そうすると距離もペースもわからないので、なんとなく落ち着かない感じなんです。
走り慣れたコースなので距離はほとんど把握しているのですが、ペースは体調とか疲労度のバロメーターにしているので、できれば雨の日でも知りたいんですよね。

計測距離はどれくらい正確なの??

最後の距離については、現在私が走っているコースは周りに高い建物も長いトンネルもなく、空からのGPS信号はきっちり受信できる状況だと思っているのですが、後から1キロ毎のラップを確認すると「???」と思うような記録がされていることがたまにあります。感覚と実際のペースが異なるというのはよくありますが、それにしてもこの1キロ遅すぎない?/速すぎない?という記録が残っていたりします。

iPhoneやAndroid端末など最近のスマートフォンで提供されているGPS系のアプリは、基本的にその端末からのGPS情報をベースにして距離などを計算しているため、アプリの精度は端末のGPSの精度に大きく依存します。

iPhoneのGPSの精度はかなり高いので、問題ないのでは?と思うのですが、たとえばトンネルなどなんらかの理由で位置情報が取得できなかったときにどのように移動距離を補正するか、などはアプリ側で行うため、同じGPS情報を利用していても移動距離に差が出たりということは実はよくあることなのです。

GARMIN ForeAthlete 220Jが気になりだした

こういうことが少しずつ気になりだしたと同時に、これらの問題を解決するために浮上した選択肢が
「GPSウォッチ」
というものでした。
そしてその中でもとりわけ、Garmin(ガーミン)から出ているForeAthlete 220Jが私のニーズとほぼマッチしているという結論に。

まず、私がランニング中に知りたい1キロ毎(このラップ距離は自分で設定できます)のラップタイムを表示してくれます。ラップが刻まれたということをアラームで知らせると同時に、バイブでも知らせてくれるので音楽を聞きながらでも気づくことができるというすぐれもの。

次に、この商品は水深50m完全防水。220J以前のモデルは生活防水だったので、防水度もパワーアップ。雨の中でも心配なくつけていられます。

そして肝心のGPS機能ですが、こちらはGPSメーカーとして自動車や航空機などにも搭載される受信機を作ってきた経験と実績があることから信頼性は十分。
さらにこの220Jは日本独自、日本向けのGPSシステムを利用しているため、日本国内での位置取得の精度は格段に上がります。

さらには表示機能では、Nike Runningと同じく平均ペースはもちろん、さらには現在/平均/ラップのスピード(km/h)、平均ピッチなどまで表示することができます。その他の機能としてはインターバルトレーニングをサポートするインターバル機能、別売りのハートレートセンサー(心拍計)を装着することで現在の心拍数や平常時の心拍数から推定される現在の運動強度などを知ることも可能です。
また、Nike RunningはNikePlusというWeb上でトレーニングを管理することができますが、ガーミンの方もGarmin Connectというサイトがあり、NikePlus同様にトレーニングを管理することができます。

と、この辺りまで情報が得られた時点で、「いいなー」という気持ちが「欲しい!」という強い志に変わっていきました。

高機能GPSウォッチとしてはかなりお買い得の価格ではあるのですが、それでも普通のストップウォッチと比べたらそこそこのお値段はします。しばらく悩みましたけど、せっかく楽しく走れるようになっているのだからさらに楽しく走れるようになればもっと幸せじゃないか、と思い至り。

GARMIIN ForeAthlete 220J

買っちゃいました。

色は、この黒/赤と、

この、白/紫

の2種類があり、どちらかというと黒/赤の方が大変人気のようで、私が購入した時には各店舗(ネットも実販売店も)品切れになっていました。某家電量販店の時計売り場の方も、黒/赤はとても人気でしばらく入荷がないんですとのこと。
でも僕は最初に見た時から白/紫の方がとてもかわいいと思っていたのと、せっかく楽しく走っているのだから腕時計だって楽しそうな方がいいやと思ったのとで、迷わず白/紫の方を購入。

こんな感じ。女性向きに設定されたカラーなのかもしれないですが、男性がしても全然違和感ないと思うし、楽しそうでいいですよね?僕はこの色、すごく気に入りました。ForeAthlete 220Jをつけてみた

さっそく使ってみました

購入前には気が付かず、数回実際にランニング/ジョギングで使ってみての情報としては、
・とにかく軽い!
・文字表示はとても見やすい
・バイブは気がつかない時がある
・GPS補足までの時間が短い!
ということでした。

220Jはとにかく軽いです

まずはとにかく軽いです。
GPSウォッチってもっと重いものだと思っていたのですが、技術の進歩というのはすごいですね。
特にこのForeAthlete 220Jは前のモデル(ForeAthlete 210)の52グラムに対して40.7グラム。52グラムだってかなり軽いと思いますが、それよりも軽いとは。
おそらくあらゆる材質を軽量化すべく設計されたのでしょう。
とにかくつけていて走りの邪魔になることは全くありません。

多くの情報を一度に見られます

次に文字表示についてですが、トレーニング中は表示スペース内に3段の数値を表示できるようになっていて、さらにそこに何を表示するかは自分で設定することが可能です。
3段表示なのでちょっと小さくて見にくくなるのかな?と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。下のイメージが実際に走っている最中の表示です。
ForeAthlete 220J ランニング中
走りながらなのでちょっとぶれてしまいましたが、上段が総合距離、中段がタイム、下段が現在のペースです。
そして先にも触れた通り、この表示項目は変更することができます。
ランニング中にリアルタイムで確認したい情報は人によって異なると思いますので、これが自由に設定できるのはとても嬉しいですね。

ラップはバイブと大きな表示でしっかり知らせてくれます

私が一番気にしていた1キロ毎のラップタイムについては、実際のラップのタイミングでそのラップタイムのみどーんと大きく表示されるようになっているのもとてもわかりやすくて素晴らしいと思います。ラップ距離がくるとバイブと音で通知がきて、先ほどの3段表示からしばらくの間以下の様な表示に。
ラップ表示
すみません、さらにぼけぼけになってしまっておりますが、もちろん実際はくっきりです。中央に大きくラップタイム、上段に小さくラップ数、下段に累積時間が表示されております。

少し気をつけなくてはいけない点として、ラップのバイブ、通常はちゃんと気づくのですが、気温が下がって腕がすこしかじかんだような状態になると気がつきにくくなります。それくらいの強度のバイブだと思ってもらえればいいです。
ですので、もしかしたら雨の中の走行時も腕に水滴が継続的に当たるような状況だと、これも気が付きにくくなる可能性があります。
ただ、バイブと同時に、かなりしっかりとした音でラップ到来のアラームがピロリンと鳴るので、よっぽど大音量で音楽かけたりしていない限りは気づきます。雨の日はそもそも音楽聞きながら走ったりしないですしね。

衛星補足までの時間が短い!

GPSウォッチ、現在では多くのメーカーから発売されておりますが、使う側からの心配点のひとつに、

「現在地をGPSがキャッチするのにどれくらい時間がかかるの?」

ということがあります。
走り始める前にきちんと現在地をキャッチしていてくれないと、GPSウォッチとして正確に機能してくれません。

時計の電源を入れて外に出て(屋内ではGPS信号をキャッチできません)そこから現在地を把握するまでの時間というのが機種によってかなり差があります。

時間に余裕があるときはのんびり待てるのですが、私は朝起きて出勤前に走るので、できれば外に出たらすぐに走り始めたいのです。

その点220jのGPS補足時間はびっくりするくらい早い。

大体外に出て1分もしないうちに現在地をキャッチし、使いはじめる準備ができます。
特に、一度走ったことのある場所での補足時間は本当に短いです。30秒かからないこともしばしば。

マニュアルには、「初めての利用の場合や最後に信号を捕捉した場所から数キロ離れた場所で再捕捉するばあい、15分くらい補足に時間がかかることがあります」という旨の記述がありますが、私が利用してきた限りではそこまで時間がかかることは一度もありませんでした。
GPS捕捉に関するマニュアル

この部分の性能の差は、実際に使ってみないとわからない部分ですが、使い勝手に影響を与えるとても大切な部分です。

走ることがさらに楽しい!楽しい!楽しい!

買ったからには使い倒さにゃあ、ということで、220jを購入してからはランのたびに装着していくようになりました。
今までのiPhoneアプリと違い、手元を見るだけですぐに様々な情報が得られるというのは自分で思っていた以上に便利で、そして楽しいものでした。

ペースのコントロールが自在です

現在の距離と1キロ毎のラップタイムがリアルタイムで知ることができるため、
「次の1キロは少しペースを上げて4分くらいで走ろう」
などのペースコントロールを自由に行うことができます。
また、現時点の、リアルタイムでのスピード(いまのスピードならキロ何分ペースだよということ)もわかるので、スピードの微調整もできます。オーバーペースを防止することもできるので、レースでもかなり役に立ちそうです。

あと◯キロ走ろう!が自在です

走っていて調子がいいと、とても気持ちが良くなってきていつもより長く走りたい!と思うときもままあります。
普段走っている、距離が明確なコースを走っている時にはいいのですが、そこからさらに
「よし、今日はあと3キロ走ろう!」
と思った時、周回コースなど距離がわかっている場所を走っているのでない限りはあと3キロがどれくらいかということを判断するのは難しいですよね。
そういうときにも220jは走行距離を10メートル単位で知らせてくれるので、正確に走行距離を伸ばすことができます。
ペースの管理もできるので、追加で走った距離のペースがどれくらいかがわからないということもありません。

そんなわけでいろんな情報をリアルタイムに手元で確認できるようになってから、走ることが今まで以上に楽しくなりました。
走り終わった時、こうやって時計を止めて結果を見た時の満足感というものが新たなランの楽しみとして追加されることとなりました。

220jラン結果_1
220jランデータ_2

うまく説明できないのですが、走ることを自分で自在にコントロールできている感覚にさせてくれるというか、自在に走れるという感覚にさせてくれるというかそういう種類の満足感をこのGarmin 220jは与えてくれるのでした。

電池はどれくらいもつの?

GPS時計は、普通の時計と違い現在地を測位する必要からたくさん電力を使います。そのため、GPS機能をオンにしておくと電池の消費がとても早いです。
じゃあどれくらいもつのか?ということについてですが、一応説明書には10時間と書かれております。
しかし、先日ウルトラの練習で77キロほど走った際、7時間20分ほどで
「電池の容量が少なくなりました」
というアラートが表示され、最終的に7時間30分強で走り終えた際の残り電池残量が13%位となっておりました。
77キロ走の際のGarmin Connect

もちろん衛星からのGPS信号の受信状況にもある程度影響を受ける(受信状態が弱ければ電池の消費は早い)とは思いますが、大体の目安としては8時間くらいが限界と思っておいた方がよさそうです。
2015/06 追記
上記のように書きましたが訂正です。先日、柴又100キロに出た際に使用してみたところ、ちょうど10時間程度は電池が保ちました。残量低下のアラートは、何度か出現します。
自分の感覚だと、残り15%くらいで1回、10%くらいで1回、5%くらいで1回、1%?くらいで1回、そしてその後、まさにちょうど使用開始から10時間たったくらいでもう一度だけアラートが出た後、すぐに電源が切れてしまいました。
ただ、記録は電源が切れた時点まで残っていました。
電池がなくなった時点の記録
エイドで小休止した時間は一時停止させていたので、上記の状態でちょうど10時間くらい。
あと2キロちょいもってくれたら時計も完走だったんですけどねー。
というわけで、100キロでもサブテンくらいで走ることができれば、220jの電池はもってくれそうです。

なので通常のフルマラソンであれば十分すぎるくらい電池はもつと思ってもらって構いません。LSDで50〜60キロ走るというのでもまったく問題なく使えます。
長く走った時に自分の足跡を確認できるというのは、とても楽しいです。

Nike+にもランデータをアップすることが可能です

フォアアスリート220Jは、基本的にはGarmin ConnectというWebアプリを利用してランデータを管理することができます。
このアプリはNike Runningと連動しているNike+と同様、細かく日々のランを管理することができます。
SNSとの共有機能もあり、機能としてはNike+と全く遜色ありません。
しかもウォッチからのデータのアップはとても簡単。
走り終えたら、それをUSBのクレイドルにつなぐだけ。
ランデータのアップロード
私はMacですが、Windowsでも基本的には変わらないです。
そして、つなぐとあらかじめインストールしておいたアプリが自動的に起動して、データをアップロードしてくれます。
ランデータのアップロード2
たったこれだけ。
あとはGarmin Connectを確認してランの詳細データを確認しながら「ああ、今日も走ったなあ」とニヤニヤするわけです(これが一番楽しい)。
様々なデータがとれるので、次のランへのモチベーションにもなります。
ちなみにこれがある日の30キロ走の結果です。
Garmin Connect 1
Garmin Connect その2

ただし、今までNike+を利用してきてランデータがかなり蓄積されている方は、今までどおりNike+にランデータをアップし続けたいと思うかもしれません。
そういう場合でも、Garmin ConnectのデータをNike+に読み込ませるサービスがあるので、それを利用すれば問題ありません。
有名どころはこちら
外部サービス、しかも英語での案内になっておりますが、英語がわからなくても大丈夫です。
Garmin ConnectからランデータをGPX形式でダウンロードして、それをこのサイト経由でアップロードすれば、フォアアスリートで取得したデータをNike+にも反映させることができます。

(2015.05追記)
現在、Nike Runningアプリは特に外部サービスを利用しなくてもデータの連動が可能です。
Nike Runningアプリを立ち上げ、設定→パートナーアプリをタップすると連動可能なアプリの一覧が表示されますので、そこで「Garmin」アプリを選択すれば自動的に連動するようになります。

そんなわけで相当オススメします

そんなこんなで比較をしたりさんざん走ってみたりした結果、ForeAthlete 220Jは私のニーズを十二分に満たしてくれる大変よい時計でした。
iPhoneは音楽を聞くために、そして緊急の連絡のために雨の日やスピードをあげて追い込む時以外は相変わらず携帯しておりますが、即座に手元で現状を把握できる状況でランニングできるようになるというのはかなり違います。より走りに集中できるようになるし、なによりとにかく楽しい。

今回のForeAthlete 220Jの購入は、とてもいいお買い物でした。
ランニングのモチベーションを継続するにあたっては、記録が伸びるとか、体型が変わるとか、そういったフィジカルな面での変化は大きいですが、それだけだと結局変化が鈍くなったときにモチベーションを保つのが大変になります。
継続して楽しんでいくためには、フィジカルな変化以外の楽しみもたくさん用意しておく必要があると私は思っていて、ランニングウェアを素敵なものにする、とか、こういう新しいガジェットを手に入れてランニング環境をより快適にするといったこともモチベーションを保つのにとても重要な要素だと思っています。
そういった観点からも、高機能ウォッチの導入はとてもオススメです。

とにかくとにかく、せっかく趣味にしたのだから、めいっぱい、そして長い間楽しみたいと思います!

関連:Garmin ForeAthlete 235J に買い替えました。

カテゴリー: グッズ, ランニング パーマリンク