故障中のトレーニングにエアロバイクを活用する【後編】

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回復トレーニングはエアロバイクを選択

まずはちょっと休むところから

故障をしてしばらく走れなくなってしまうというのはやっぱり落ち込むことです。
ましてや目標達成が間近だと思って頑張ってきたので、なおさらです。
また、もともと走ることが好きで続けているので、走れない、走ってはいけないという状況も大変ストレスフル。

というわけで次の目標に進むとしても、一旦気持ちをリフレッシュさせるために、2日ほどトレーニングはなにもしないことにしました。
そして普段はある程度(あくまである程度ですが)節制している食生活も気持ちのおもむくままに好き放題。
私は甘いものとお酒が大好きなのですが、2日間は狂ったように甘いものを食べて、狂ったように晩酌をしました。
おいしいチョコレートやケーキ、おいしいビールに焼酎。
いやいやもういらないよ見たくもないよっていうくらい満喫して、気持ちをスタートラインに戻しました。

こうしている間に身体に溜まっていた疲労も抜けて、再スタートの準備を整えました。

脚が治るまではエアロバイクでトレーニングすることに決定

再スタートはまず故障が治るまでのトレーニングをどうするか、ということを決めるところからです。
脚が治った時にまたスムーズに走ることを楽しめるように必要な能力ということを考えた時、私の場合、
・心肺機能(体力)
・筋力
・体型
が故障前よりもそんなに落ちていないことが重要だと判断しました。
このうち筋力、とりわけ上半身の筋力については腕立て伏せや腹筋、背筋を今まで通り継続することで維持しようと考えました。

残りの心肺機能と体型について、これらを維持するためのランニングの代わりとなるトレーニングは、
・水泳
・バイク
というところがポピュラーだと思います。どちらもランニングで故障したときの代替となる有効な有酸素運動です。
近所にジムがあり、就業後にどちらのトレーニングもできる環境にありましたが、私はエアロバイクの方が今回の目的に適していると考え、ジムにあるエアロバイクを脚の回復までのトレーニングに取り入れることにいたしました。

エアロバイクのメリット

ではどうして水泳ではなくエアロバイクを選択したのか、以下簡単にですがその理由を説明したいと思います。

負荷を調整可能

最近のエアロバイクはワット数を調整することで負荷が調整可能です。また、運動中に心拍数も計れるため、心拍数をモニターしながら負荷を調整することができます。
私の場合、だいたい心拍数が145~155の間になるように負荷を調整して、その心拍数を今まで走っていた時間とほぼ同じくらいの、60〜80分間維持することで心肺機能を維持することにしました。また、週に2回くらいは途中で負荷を高めて心拍数を170弱くらいまで上げて戻す、インターバルトレーニングも導入したりしました。

このように身体からのフィードバックを元にトレーニング負荷を調整できるのはエアロバイクならではです。

運動量と消費エネルギー(カロリー)を調整可能

ランニングに復帰したときに一番怖いのは、走れない回復期間中にべらぼうに体重が増えてしまって、そのことがまた別の故障を呼んでしまうことです。
故障してしまっても基本的には食べる量は変わらないですし、変えるつもりはありません。
ある程度の節制はともかくとして、食べることを徹底的に我慢して走るというのは私の「楽しく走る」というポリシーに反します。とは言え復帰して身体が重くなってしまっていると、次の怪我に繋がりやすいというリスクがあるので体型はある程度維持しておかなくてはいけない。
とすると、やるべきことはひとつ。走っている時と同じ運動量を保ち、消費エネルギーを同じ水準で維持すれば、体重、体型は変わらないはずです。

そのように考えた時、エアロバイクは運動で消費するエネルギー(カロリー)の計算が比較的明確で、運動量の調整がしやすいのです。

ランニングの運動量については、ご存知の方も多いと思いますが、おおむね

体重(Kg) x 走った距離(Km) = 消費カロリー(Kcal)

という式で計算できることが知られています。
もちろん負荷によってある程度の差は出ると思いますが、平均すればこの式で説明できるとのことで広く用いられています。

私の場合、体重53キロ、一日大体15キロほど走っていたので、その消費カロリーは

53(Kg) x 15(Km) = 795(Kcal)

ということで800キロカロリー弱を毎回のトレーニングで消費していたことになります。
これをエアロバイクで消費すれば、故障前とまったく変わらない体型で故障期間中も過ごすことができるはずです。

エアロバイクでの消費カロリーは、ランニングに比べるとちょっと複雑ですがそれほど難しくありません。

自転車のワット数 x 継続時間(秒) x 0.238846 / 1000 * 4= 消費カロリー(Kcal) ・・・・・ (1)

となります。
例えば、エアロバイクの負荷を150ワットに設定して1時間(3600秒)続けたとすると、その消費カロリーは

150 x 3600 x 0.238846 / 1000 * 4 = 515.9

となります。

私は心肺機能を145〜155に保つためにワット数を200Wに設定していたので、この状況下で800キロカロリーを消費したいとすると、上記の(1)式の継続時間をxとした簡単な方程式を解けばいいので、

200Wで運動したときに800キロカロリー消費するために必要な時間 = 800 / 4 * 1000 / 0.238846 / 200 = 4187(秒)= 69.8(分)

となり、200W負荷でおよそ70分トレーニングすれば走っていたときと同様の運動量を確保できるということになります。

ですのでこれを維持することにいたしました。

なお、参考までに消費カロリー、ワット数、運動時間のうち2つを入力すると残りの数値を表示する計算機をやっつけで作ってみたのでよかったら使ってください。
例えば消費したいカロリーが400キロカロリーで、予定運動時間が60分であれば、カロリーに400、運動時間に60と入れて「計算」ボタンを押すと、必要な負荷が出てきます。
細かい処理はしていないので、値に文字が入ったり余分なスペースが入っていたりすると動かない可能性があるので注意してください。


カロリー(Kcal):

ワット数(W):

運動時間(分):

エアロバイク導入の結果

体力および体型をキープすることに成功

結局疲労骨折から回復するまでに1ヶ月近い期間がかかり、ようやく走れるようになりました。
その間エアロバイクによるトレーニングを週5~6日ほど取り入れておりましたが、おかげで体力の低下を感じさせることはまったくなく、むしろ走っているときはめったにやらないインターバルトレーニングを導入したりしたおかげでむしろ心肺機能は高まったかもしれないと思うような状態でした。
また、体重に関して、食べる量は故障前、故障後と全く変えなかったのですが、体重の増減はほとんどありませんでした。
むしろ500gくらい減っているような状況でした。
というわけで走ることに復帰しても、身体に負担をかけることなく走りに復帰することができています。

以上、私の故障回復手段としてエアロバイクのメリットを紹介いたしました。
もちろんこれが正解だとは思っていません。
故障の状況に応じては、自転車をこぐこともできないかもしれませんし、水泳のほうが肌に合うという方ももちろんいらっしゃると思います。利用できる環境もありますしね。

あくまでひとつの参考としていただけたら幸いです。

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