2015柴又100Kウルトラマラソン参戦記 その②

前の記事:2015柴又100Kウルトラマラソン参戦記 その①

レース直前までの走り込み

とにかく50キロ以上の距離を繰り返して課題をあぶりだす

4月の初旬に初めて60キロを超える距離を経験し、ウルトラマラソンの距離を走ることの難しさを実感。
そこから2ヶ月、100キロを走破する足を作るためになにができるだろうと考えた結果、それはやっぱり距離を踏むこと以外思いつかず。
いまの自分に何が足りないのか、どういうところで失敗して走れなくなっちゃうのか、それはやっぱり距離を踏んでいる中で意識しないとわからないだろうなと。だから走りこむ中でそれを1つずつ炙りだして、解決方法を探っていくことにしました。

走りこむといってもそれが可能なのは週末だけ。
平日は今までどおり朝に15キロ。
ただ、週末かなりの距離を走るので、出来る限り疲労を溜めないように。
一方であまりゆるゆると走ると最低限必要なスピードを生む筋力が落ちてしまいそうなのと、そもそも会社に間に合わなくなっちゃうので、週に3回ほどはラストの2〜3キロを気持ちよく飛ばして筋肉を衰えさせないようなイメージでこなすことにしました。

自分の身体に意識を集中する

そして週末1日はとにかく50キロ以上の距離をこなします。
54キロと65キロのコース設定をして、体調に応じてどちらかの距離を走ります。
時間も長いし、スピードをそれほどあげるわけでもないからリラックスして走りますが、その中でも特に自分の身体の状況に意識を集中しました。
長いですが音楽を聞いたりもせず。
手元の時計を時折見てペースを確認しながら、今自分の身体のどこが疲れているか、どこが辛くなってきているかなどを意識します。

これを繰り返しているうちに、自分の中の課題は大きく3つあるかなあと気づくようになりました。

力強く走りすぎている

自分の走りを意識していてまず最初に気づいたのは、ウルトラマラソンの距離を走るには一生懸命走り過ぎちゃっているなあということでした。
比較的足の筋力が強い私は、普段みじかめの距離を走るときには足の筋肉を全部使うようなイメージでスピードを出す走り方をしています。つま先までしっかり蹴り切るような感じというか、そんな感じです。
こういう走り方は、序盤は調子よくスピードに乗って快調に走れるのですが、やはり疲労も早く溜まってしまい早々に足が動かなくなってきてしまいます。少なくとも私にとっては超長距離向きの走り方ではありませんでした。
なので、スピードが出なくてもいいから、とにかく楽に足が前に出せるような走り方をすることを意識するようにしました。ピッチを上げるのと、なるべく足を高くあげない。すり足というか小走りというか、そういうイメージで楽に楽に。

補給を定期的にしっかりとる

次に、どーんと足が動かなくなってきてしまうのは、少なからず補給が影響しているのではないかと考えました。
走っている最中は筋肉もそうなのですが、内臓も同じように疲労してくるため、長時間走っていても「あ、すごいお腹すいた」って感じないんです。さらに言えば内臓が疲労してくるので、水分以外はあまり口にしたくなくなる。
で、50キロを過ぎて走っていて突然足が止まってしまったり、目眩のようなものがやってきたりして「あ、もしかしてエネルギーがないんだ」と気づくんです。

走っている最中のガス欠についてはネット上でたくさん情報が出ており、みなさん口をそろえて「補給は早目に」とおっしゃっているのですが、いざ自分のこととなるとつい「まだ大丈夫」と思って補給を先延ばしして、結局ガス欠を起こしてしまうんですよね。
しかも一度エネルギー切れを起こしてしまうと、回復に相当時間がかかってしまいます。かなりの時間のロスになってしまいます。
なので、特に空腹を感じていなくても、ちょっと今はいらないかなって思っても、とにかく補給をするよう心がけるようにしました。
ちなみに私が練習の時に主に使っていた補給食は、
・井村屋のスポーツようかんプラス

・アミノバイタル(ゼリーの方)

・shotz

です。

一番コストパフォーマンスが高いのはスポーツようかん。しかもスポーツようかんプラスはチューブ状の包装がなされていて、片手でぎゅっと力を入れると中身が出てきて口にできるという使いやすさもありかなり重宝しました。
味は普通に羊羹、しかも井村屋のようかんですから味はお墨付き。おいしいです。

アミノバイタルは比較的さらりとしていて口にしやすいのが特徴です。
甘いのは甘いのですが、口にしつこく残らず、すっとおさまってくれる感じ。
気温が高くてちょっとあまりなにも口にしたくないなというときにはとてもありがたい存在です。

shotzは自転車とかも含めてエンデュランス系競技をする人たちにはとてもお馴染みの補給食。
味が6種類くらい出ていて好きな味を選べます。
ただ、とにかく甘い。45gでおよそ120キロカロリーの栄養を凝縮していますので、ものっすごく「濃い」です。初めて口にしたときは、ピーナッツバターをそのまま飲んでいるような感覚すら覚えました。
ただ、濃い分効果はお墨付き。「ああ、もうガス欠になっちゃうかもやばいかも」という状況で口にしても、すぐに状態を回復してくれます。なので携帯しておくだけでとても心強い存在です。ちなみに私のお気に入りはコーラとレモンライムです。

私はこの3つを常に走る際に携帯し、20キロを過ぎた地点から、
・10キロ毎にスポーツようかん
・40キロ過ぎた地点でアミノバイタル
・ガス欠起こしそうになったら適宜shotz
というスケジュールで栄養を摂取するようにしました。

とにかく口にしたくてもしたくなくてもその距離がきたらちゃんと補給する。
それだけで足が止まってしまう頻度がかなり減りました。

シューズをしっかり考える

実はトレーニングを積む中で一番難しく、そして最後まで悩まされたのがシューズの問題でした。
ウルトラマラソンの距離になると、シューズの選択が疲労に与える影響がものすごく大きいということに気が付きました。
トレーニング開始時は、やはり超長距離を走るわけだからクッション性が高いシューズの方がいいだろうと思い、お気に入りのBrooksのRavenna(ラベナ)シリーズを履いてトレーニングをしていました(参考:Brooks Ravenna 5 : 「もっと走りたい」に応えてくれる秀逸シューズだった

このシューズはとにかく足を優しく包んでくれるしクッション性も高いので、たくさん走りこんでも怪我しないんです。

なのですが、このラベナは重量が300グラムほどあってかなり重い部類のシューズ。
序盤は気にならないのですが、後半になるとこの重さがじわじわと足に影響してきます。
足がどんどんあがらなくなってくる。

そこで今度はソールの薄い軽いシューズを履いてトレーニングに出てみました。
手元にある一番軽いシューズはフルのレースで履いたAsicsのターサージールです。

さすがに軽いです。ですので、すいすい足が進みます。
とりわけずっと重いシューズでトレーニングをしていたこともあり、何も履いていないかのような錯覚に陥るほど軽い。

あ、これは絶対こっちが正解だ。

と思ったら、もちろんその先には落とし穴が待っていました。
当然といえば当然ですが、ソールが薄いということは、それだけ足への衝撃も大きい。
足への衝撃は、40キロ、50キロと走るうちに全身への衝撃となって、最終的に猛烈な疲労となって襲ってくるんです。
この予想もしないレベルの疲労感、初めて経験した時はびっくりしました。
途中でうずくまってしまうくらいの疲労に襲われ、やむなくトレーニング中止。

いや、ほんと、シューズって大事だし難しいと思った瞬間でした。

そして結局どうしたかと言うと、重すぎるのも軽すぎるのもダメだという考えてみたらとても当たり前な結論に至り、御徒町のB&Dに行った時にSALEになっていたasicsのGT-2000 2

を履いてみたところ、ターサーよりはクッションもしっかりあって、ラベナよりは軽量でというなかなかの好感触を受けたのでこれを購入。レースを含めてこれでいこうと決めました。

試行錯誤を繰り返し、77キロまでは走破成功

そんなこんなで毎週超長距離を走り課題を洗い出しては検討・解決し、その間に自分の身体能力自体もある程度ウルトラマラソン向きに仕上がってきたのでしょう。
ゴールデンウイークも終盤、レースまで1ヶ月を切ったあたりでついに77キロを走り切ることに成功。
レースはもちろん100キロなのですが、ここまで走りきれていると少し安心感が出てきます。

1ヶ月切ったらあとはとにかく故障しないように、疲労を溜めないように、徐々に距離も強度も落としていきました。

2015柴又100Kウルトラマラソン参戦記 その③へつづく

カテゴリー: ランニング, レース パーマリンク